雪明り―雪の反射


積雪の多い二月。降り積もった雪が街灯や月の光を受け、周囲にほのかな明るさが生まれます。光源を持たないはずの雪が夜をやわらかく照らす、この現象を冬の季語で「雪明かり」と呼びます。

雪明かりは、雪が持つ高い反射率によって生まれる光の現象です。雪を形づくる無数の氷の粒は本来透明ですが、粒と粒の間にある空気との境界で光が屈折や反射を繰り返すため、光は複雑な道筋をたどりながら四方へ散っていきます。ときには光をすべて跳ね返す「全反射」も起こり、この連続が雪全体の「乱反射」として働き、雪が白く見える理由にもつながっています。街灯や月光のようなわずかな光さえ拾い上げ、面としてやわらかく周囲を包み込んでいます。

日本では古くから雪が冬の美の象徴とされ、「花」「月」「風」と並んで季節を彩る景として親しまれてきました。京都や江戸の人々にとっても雪は珍しく貴重なものであり、雪見の風習が育まれた背景にも、雪明かりがもたらす静かな美があったのでしょう。

二月は冬の終わりが近づき、立春を境に季節は春へと移り変わります。
移ろいゆく時間の中で、残り少ない冬景色を味わってみてはいかがでしょう。

参考文献:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA