ウェルビーイング2-国際的な動き

2011年OECD(経済協力開発機構)は「より良い暮らし指標BLI)」(Better Life Index)というウェルビーイングに関する国際的な指標をつくった。これにより経済的な側面だけでは捉えられない豊かさや生活の質、満足度を描き出そうとする指標としてBLIを経済社会政策に取り入れる方向に世界は本格的にシフトしていった。

2011年、国連は、「公共政策を導くことを目的とした開発における幸福やウェルビーイングの追求」を総会で採択した。翌2012年から世界の人々のウェルビーイングを測定する世界的調査が行われ「世界幸福度報告」(World Happiness Report)が公表されるようにった。

このレポートは、毎年、国連が世界150か国以上を調査・分析し、ウ ェルビーイングの現状について報告するものである。主観的ウェルビーイングに影響を与える要因として以下が想定されている。

2023年の「世界幸福度報告」で日本は137か国中43位であり、主要7か国(G7)では最下位であった。この結果については、幸福の尺度は多様化しており、各国の文化的、社会的な相違の影響も背景にはあると考える必要性が指摘されている。

2015年には持続可能な開発目標として「SDGs」が国連で採択され、地球規模で人間がより幸せに生きるためのより良い社会をつくるための17の目標が提示された。

2021年WHO世界保健機関)はウェルビーイングの概念・尺度を、SDGsの中心に据えるべきであると提言した。これにより国際目標SDGsの達成は、「全ての人々のウェルビーイングを目指した集団的努力によって行われるものである」とWHOが国際社会に呼びかける形となった。

OECDは2018年に公表した「OECD教育とスキルの将来2030年」で教育の価値をウェルビーイングに置き、この枠組み達成のための教育制度改革を加盟各国に求めている。また、2020年に様々なテーマの調査・分析を行う「WISEセンター」を設置し、ウェルビーイングについても調査・分析を行い報告書を策定している。

以上のように近年、国際機関において、ウェルビーイングに関する動きが進展しており、コロナ禍を経て今後ますますその動きは活発化していくものと予測される。

■参考文献

ウェルビーイングレポート日本版2022

世界幸福度ランキング