バーレーンパビリオンの照明1―大阪・関西万博

2025年日本国際博覧会(略称 大阪・関西万博)が2025年4月13日から10月13日まで大阪で開かれる。
テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」である。このテーマは、世界中の人々が自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにすると共に、生き方を支える持続可能な社会を国際社会が共創していく、という願いが込められている。
この博覧会によって、地球的規模の課題の解決に目を向け、参加者が自らにとって「幸福な生き方とは何か」を問いかけ、個々人の「ウェルビーイング」が共鳴する社会の実現を図っていく契機となることが期待されている。
ウェルビーイングという概念は、「心身ともに健康で、かつ社会的にも満たされた状態」を指す。2030年に目標達成を掲げたSDGsの「すべての人に健康と福祉を」という考えにも通じる概念である。
ウェルビーイングに関しては、2024年11月、ウェルビーイング推進のための世界共通のガイドラインとなる「国際規格ISO 25554」が日本主導で開発、発行され、日本は先導的な立場となっている。
ISO25554は、世界のさまざまな組織でウェルビーイングの推進を実践するために推奨される枠組みを示すもので、「高齢化社会―地域や企業等でウェルビーイングを推進するためのガイドライン」である。
本規格では、取り組むべきウェルビーイングの領域を、地域や企業等それぞれの組織が独自に明確に定めて活動することを推奨しており、多様な組織で活用できるウェルビーイング推進方法を体系化したものとなっている。
その活動内容については、世界保健機関(WHO)の「ヘルシーエイジング (健康に老いる)」*2の理念や、SDGs(持続可能な開発目標)における「誰一人取り残さない」という理念に則したものであることを前提としている。
この規格の中では、日本が行ってきたウェルビーイングを推進するための健康経営や自治体の取り組みの好事例、デジタル技術活用の概要などが紹介されている。
そしてこのガイドラインによって具体的な活用方法を広く世界が共有することで、持続可能なウェルビーイング重視社会の実現に向けた1歩となることが期待されている。
「大阪・関西万博」において、ウェルビーイングが共鳴する社会の実現に向けた様々の提案は、日本から発信する重要な提案となることだろう。
今回、ALG建築照明計画事務所は、バーレーンのパビリオンの照明をウェルビーイングの概念を実現すべく計画し、演出した。
「世界に対する卓越した開放性、文化の多様性、革新性を有するバーレーンの魅惑的な物語を紡ぎ出す」というテーマのバーレーンのパビリオンについて次回から取り上げる。
参考文献
*1 :https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
*2 :高齢期のウエルビーイング を「身体機能の能力を開発 ・ 維持するプロセス 」と定義している


