動物と光7-動物福祉(アニマルフェア)

ウェルビーイングを実現していくためには、本人の健康状態に加え、考え方や社会的に置かれた環境などをより良い方向に向かわせる必要がある。近年、ウェルビーイングの観点からワークライフバランスや福利厚生への関心が高くなっている。

この人間のウェルビーイングの充実を図る動きは、世界的に、動物に対しても高まっている。アニマルフェアと呼ばれる動きで、アニマルフェアとは「動物福祉」のことである。*1

一般に広まっている「動物愛護」は動物を愛護する情、思いやり、共感を育む 心情的、感情的、主観的であるものに対して、「動物福祉」は客観的に飼育環境、動物の状況を測定・評価し、動物の生活の質(QOL)を向上させる科学的、論理的、客観的なものである。

「動物福祉」は、動物が必要としているニーズを満たす行動で、動物が肉体的、精神的に十分に健康で、幸福であり、環境にも調和していることを目指す概念である。動物のウェルビーイングを図る運動とも言うことができるだろう。

アニマルフェアはイギリスから誕生し、あらゆる動物の自由を謳っている。また、ペットにおいても広がっており、フランスではペットショップの販売が2024年から犬猫の店頭販売を禁止した。

世界的潮流を受けて日本でもアニマルフェアに基づいた飼育の推奨や購買などの動きが生まれている。

動物のSDGsともいえる動物福祉13のゴールを設定して動物福祉のレベルを上げる運動を行っている団体や、畜産に関してアニマルフェアの考え方に準じた環境改善などを行っている企業などである。

ペットを飼う際には、人間の生活にペットを合わせようとするのではなく、人間とは異なる動物の行動を知り、理解し、共に暮らすための努力をし、向き合っていくことが大切である。そうしてこそ、動物と共生する際のウェルビーイングを築いていけるのではないだろうか。

照明計画においては、動物の目線からみた動物にとって快適で健康的な光環境を計画し実現することは、動物福祉の一旦を担う重要な役割であり、これからの動物のウェルビーイング実現への大きな課題でもあると考える。

参考資料
*1:https://www.elle-rose.co.jp/contents/bizthinker2203-2/