光害8 ― 宇宙への影響

地球の周りを回る人工衛星は、気象の観測や位置情報の計測など、私たちの暮らしに役立つ
情報を提供し、生活に深く関わっている。
その人工衛星は、衛星本体と太陽電池パネルが、可視光域と赤外線領域で太陽光を反射して
輝くため、日没後や日の出前の数時間は地上から明るい物体として確認され、天文学などに
大きな影響を与えている。
その影響には次のようなものがある。*1
1 変光星、新星、超新星、など変光天体の測光観測への影響
2 銀河、星雲、星団、など広がった天体の撮影映像への影響
3 原始銀河や微弱な原始惑星、など極めて暗い天体の研究への影響
4 教育への影響
・都市部の小中高校の理科教育への影響
・大学院、大学の教育への影響
・市民の宇宙、自然への関心への影響
5 アマチュア天文家の観測や発見活動への影響
国連宇宙部(UNOOSA)によると、これまでに打上げられた人工衛星は世界で累計2万基
以上とされている。(2025年3月7日現在)。2030年末までには、5万基の衛星が低軌道
を周回すると予測されている。
これらの人工衛星からの反射光は、夜空の明るさを250%増加させ、全星の50%を視界か
ら消し去る可能性があるという。シミュレーションによれば、緩和策を講じない場合、夜空
の光点の約15分の1が衛星となってしまうことになる。*2
2025年2月に、国連宇宙空間平和利用委員会において、衛星数の増加が天文学に与える影
響が初めて議論された。光害の宇宙への影響に対する世界的な対策を講じる動きは、始まっ
たばかりであり、今後の活動に期待したい。
参考資料
*1:hikarigai-gaido-R3.pdf.pdf
*2:Our positions | DarkSky International


