アーバンマイニング4-サーキュラーエコノミー(循環経済)

世界の人口は、産業革命が発生した18世紀初期には7億人だったが2023年には約10倍の80億4500万人となり、2100年には110億人に達すると見込まれている。*1
この人口増加の問題と共に近年、気候温暖化の影響による様々な問題が世界に起きている。

地球の環境を守るために、脱炭素の動きやSDGsによる持続可能性のある社会への問題提議がなされ、世界の人々に問題解決に関しての行動が求められるようになってきている。

私達は産業革命後、大量生産、大量廃棄型の経済モデルを推し進めてきた。その工程は、資源を採掘し、モノを作り、捨てるという「線形経済モデル」(リニアエコノミー)と呼ばれている。

それに対して、近年、欧州を中心にして新しい経済モデルとして「循環経済」(サーキュラーエコノミー)が取り入れられ始めている。これは、廃棄物を資源として繰り返し再活用し続けて資源の循環の輪を構築する仕組みである。

日本では環境省が「循環経済工程表」を2022年9月に発表し、循環経済への方向性を示した。*2さらに、2023年3月発表した「成長志向型の資源自律経済戦略」の中で日本において経済的目標と社会的目標(経済安全保障、サスティナビリティ、Well-Being(人間の幸福))に同時に繋がるものであるとして、循環経済モデルに取り組むことの意義を示している。*3

照明業界においても物質、資源の供給途絶リスクをコントロールし、経済の自律化、強靭化と国際競争力の獲得を通じた持続的かつ着実な成長を実現する循環経済に貢献することが求められているのではないだろうか。

アーバンマイニングはサーキュラーエコノミー社会において重要な要素を占める。照明器具の製品からリサイクルされるレアメタルなどの資源は今後の循環経済型の社会にとって貴重な資源となることだろう。照明器具からのレアメタルなどの抽出、リサイクル技術開発に注目していきたい。

これからの照明デザインは、アーバンマイニングの実情を認識したうえで、企業や顧客と協力してサーキュラーエコノミーの観点から照明器具の選定、デザイン、照明計画、などを行うことに努めることが重要だと考える。また、そしてその活動が循環経済の実現に繋がるようになることを期待したい。

参考
*1国連人口基金(UNFPA)「世界人口白書2023」
https://tokyo.unfpa.org/ja/SWOP
*2「循環経済工程表」
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r05/html/hj23010202.html
*3「成長志向型の資源自律経済戦略」
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230331010/20230331010-1.pdf