脱炭素社会の実現に向けて13─LED照明器具


【該当項目】SDGsの各項目について照明分野からの働きかけ
③健康的な生活を実現する照明計画
⑦省エネな照明計画
⑫地球にやさしい光環境
 
 
LED照明は2009年ごろから一般家庭に普及し始め、その後改良されて初期のものに比べて高い品質と低価格を実現できるようになっている。演色性も高いものが開発されているが、現状では演色性と発光効率は反比例の関係にある。今後、演色性、発光効率共に高い機能を有する製品が開発されることを望みたい。

また、低炭素社会の実現に向けて照明器具の生産から廃棄そして灯具のリサイクル、リユースの一連の流れの中で脱炭素社会へ向けた新たな照明のライフサイクルを期待したい。

新築建築のLED照明普及率はほぼ100%となっているが、ストック建築の普及率はまだ低い。日本照明工業会によると、2017年末の時点で、建築物のストック市場にある照明器具は約17億台と言われており、そのうち約34%がLEDに置換されているという。残りの器具のLED化を2030年までに100%を目指しているという。※1

予定通りに目標が達成されると2013年比べて消費電力は50%削減され、さらに制御システムを30%が導入すると削減率は60%にもなると予測されており、政府の脱炭素計画に大きく貢献できることになる。

ストック市場におけるLED化は様々な方面で推奨されているが、経済的、省エネ的効果をうたってさらに改修の促進を勧めていきたい。その際に、オフィスに対してはエネルギー消費量、経済面の利点を強調するだけでなく、LED照明により快適性や生産性を向上することができ、作業効率も上がり、従業員のウェルビーイング(すべてが良好な状態にあることを意味する概念)にも好影響を与えるというコベネフィット(一つの活動が様々な利益に繋がっていくこと)にも触れることを提案したい。
 
 
※1 照明成長戦略2030. 一般社団日本照明工業会. https://www.jlma.or.jp/about/vision/