照明制御システム⑤―DMX512方式


1986年に開発されたDMX512方式は、主に演出照明、舞台照明のために利用されてきた照明制御システムである。照明器具の軽量化やより複雑な照明演出が実践されることにより、制御チャンネル数が膨大なものとなったため、システムをよりシンプルにすることを目的に開発された。

調光卓と調光ユニットをチェーン(数珠つなぎ)方式で接続させるデジタル信号方式である。それまでの1個の照明器具にケーブルが1本必要で配線が複雑だったアナログ信号による制御方式に比べて、配線が容易で多くのチャンネルでの高度な演出が可能である。2004年には改良されたDMX512Aが規格化されている。

DMX512は最大512チャンネルで、1チャンネル当たり256段階の制御が行える。DMX
に対応した照明器具は、単純な機器は1台につき1チャンネルでの制御になるが、高度な機器になると1台に複数のチャンネルによる多様な制御が可能である。

RGB制御も可能で建物のファサードのライトアップ等の演出にも利用されている。

DMX512は送る方向のみの信号形態であるが2010年には双方向通信を可能とするプロトコルRDM(Remote Device Management)がANSI米国国家規格協会により規格化され、双方向通信も可能となっている。

参考文献
https://ja.wikipedia.org/wiki/DMX512-A
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/33/1/33_7/_pdf