光害5 ― 人間への影響


光害は、人間の心身の健康や安全性に、多大な影響を与えており、夜間の不適切な照明が、人間に重大なリスクをもたらすことを様々な研究が示唆している。

健康への影響
夜間に光害を受けることでサーカディアンリズムが乱れ、睡眠障害となり、健康に悪影響を及ぼすことが分かっている。睡眠障害は、肥満、うつ病、糖尿病、がんなどの様々な病気のリスクを高める。意図しない望まない光として、街灯やビルから居室や寝室への侵入する光などが挙げられる。

光害はアレルギーにも影響している。早い開花によって花粉の季節が延長され、数百万人の人々が、数週間も長く続くアレルギーや喘息の発作に苦しむことになり、医療費の増加にもつながってしまう。

安全性への影響
屋外照明の不適切な光は、自動車や自転車の運転者、歩行者に対して危険を及ぼすことがある。道路の街灯の光によるグレアは、運転者や歩行者の目に部分的な盲目状態を作り、事故へと繋がることがあるのである。

色温度が高い白色LEDの街灯は、短波長青色光が多く含まれており、グレアを引き起こす原因となる。アメリカカリフォルニア州デイビス市では、ナトリウムランプからLEDの街灯に変更したところ、高色温度のLED街灯がグレアを感じるとの苦情が殺到し、住民が全面交換を要求し、議会が暖色系のLED街灯に変更を決議した例がある。*1

防犯性への影響
公園や道路など夜間の屋外照明は人々の不安感を和らげ、防犯に寄与するという明確な利点がある。しかし一方、夜間に屋外空間を過剰に明るく照らすことにより、機会犯罪に好都合な状況を作り出す場合もあると言われ、光の強さ、配光には注意が必要である。過剰な光によって強い影の部分が作られ、グレアが生まれることが逆に犯罪を誘発することに繋がった例があるからである。*2

地球上の動植物にとり不適切な屋外照明の光は図り知れないほどの影響を与える要素となっている。光害となることを防ぎ、照明の光を効果的に計画することは、動植物の健全な生態系を守り、改善し、ひいては地球環境保護に寄与することに繋がる。

参考資料
*1:https://www.cbsnews.com/sacramento/news/davis-will-spend-350000-to-replace-led-lights-after-neighbor-complaints/
*2:https://darksky.jp/wp-content/uploads/2025/09/Protect-the-night.pdf