マインドフルネスと光3─ストレス解消効果


私達の生活は、数十年前に比べてより効率的で便利になった反面、より速いスピードと結果が求められるようになり、多くのストレスを感じる日々となっている。また新型コロナの影響で生活様式にも変化が起こり、ニューノーマルに対応することでさらなるストレスを抱え、どう心身のストレス解消をするかが大きな課題となっている。

ストレスの原因として「コルチゾール」というストレスホルモンがある。長く続くストレスでコルチゾールが多量に分泌されると脳の海馬で神経細胞の突起を減少させることが分かってきたという。海馬は、記憶を司り、感情に関わる部分であり、損傷すると認知症や鬱病につながる可能性があると言われ、こうした心の病を防ぐためにもマインドフルネスが有効とされている。※1

現代のストレスに囲まれた状況の中でリラクゼーションの方法として、またビジネスのツールとしてマインドフルネスを取り入れる人や企業が世界的に増え続けている。

アメリカではグーグル、フェイスブック、などの企業の他、政府機関の研修などでマインドフルネスが取り入れられている。また、個人ではアップル社創業者であったスティーブジョブズは熱心にマインドフルネスを行ったことで集中力を養い、ミニマリズムに基づく美的感覚を身に着けたとされている。他には最高のパフォーマンスを得るために、タレントのマドンナはステージに上がる前には瞑想室を設えてマインドフルネスを行い、イチローは試合前のロッカールームで瞑想を行い、人類史上初めて潜水の水深100mに達する偉業を達成したジャックマイヨールも瞑想を行っていた。

また、自分の日常生活の記録や自分の主張などをSNSやYouTubeで自由に社会に発信することができたり、都合の良い時間に手軽にスマホでゲームを楽しんだりすることができ、現代は日常生活がエンタメ化していると言える。そのため人々は日常から離れた静けさや安らぎを求める傾向にあり、その一環としてマインドフルネスを行う人が増しているとも言われている。

最近の脳科学でマインドフルネスの多くの効果が実証されたことによりストレス社会に悩む人達や最高のパフォーマンスを求める人達に今後ますますマインドフルネスは利用されていくことだろう。

※1 ストレスから脳を守れhttps://www.nhk.or.jp/special/stress/02.html