マインドフルネスと光5─サウナ


最近アメリカや日本で「静けさのアクティビティ」としての「サウナ」の人気が上がっている。その理由の一つにはサウナがマインドフルネスと同様に「脳疲労の回復」に適していることが挙げられている。リラクゼーションの方法として、またビジネスツールとしてサウナが注目されているのである。

サウナ室では強制的に日常生活から遮断され、スマホもパソコンもなく、何も考えない状態に入りやすい。水風呂に入った時にはその冷たい刺激により思考が停止状態になる。そして外気浴やクールダウンの時間は水風呂で引き締まった血管から脳に血が巡り、強制的に思考停止状態になり脳が非常にリラックスする。この状態を「ディープリラックス」と呼んでいるが、マインドフルネスの理想的な状態とも言えるという。この状態を繰り返すといわゆる「整う」状態になり最高の爽快感に包まれることになる。

サウナ浴では脳内ホルモンであるβ-エンドルフィン、セロトニン、オキシトシンが分泌されることが確認されており、疲労感の軽減や身体の鎮痛効果、精神を安定させ幸福感を得られる効果などが証明されている。※1

それではマインドフルネスを行う場所としてのサウナの環境はどんなものが望ましいのだろうか。温度、湿度はもちろんのこと、照明、音楽、匂いなどが適切な環境づくりが求められる。

照明は非常に大切な要素となる。副交感神経が優位となるように色温度の低く温かく包まれるような雰囲気の間接照明を基本として、瞑想に入りやすい光環境を提案したい。照明の照度を低く抑えると心の落ち着きを導き出しやすくなるだろう。

環境としての音楽や匂いは五感が同時にシンクロして整う状態に到達するようなものを設定したい。

気持ちを整えるというマインドフルネスの一環としてのサウナは一人用サウナや女性用サウナなど様々なニーズに対応する形が生まれている。サウナは多忙な日々の一服の清涼剤としてこれからも受け入れられその形も進化していくことだろう。

※1 サウナでととのうとはどういうことか https://finders.me/articles.php?id=435