マインドフルネスと光4─脳疲労の回復効果


現代人の多くが「脳の疲労」に悩んでいる。パソコンやスマホの使用による情報過多な状態が脳の疲労を生んでいるとされている。

脳は体重のわずか2%の重量でありながら、人間の消費エネルギーのうち全体の20%を消費している。そのうち脳の消費エネルギーの60~80%は脳が意識的な活動をしていない時に消費されている。このぼんやりした時に活性化する神経回路はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と呼ばれる。※1

反対にCEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)は目の前にあるタスクに集中して活動する時に活性化される脳内ネットワークであり、脳のエネルギー消費はわずか5%となっている。

つまり私達の脳は、一生懸命に仕事をしている時よりも意識的な活動をしていないぼんやりとした状態の時の方がエネルギー消費が大きいのである。DMNは意識的に活動していないとはいえ頭の中は懸念事項が駆け巡り内側からの思考が次々と湧き上がることによって脳がどんどん疲労していく状態である。

脳疲労がたまってくると、頭痛、肩こり、冷え性など様々な体の不調が起き、集中力が減少したり、物忘れが起き、何事に対しても意欲が湧かないという状態になっていく。さらには糖尿病や高血圧、生活習慣病などのリスクも高まるため、脳疲労はためないようにすることが重要である。

また、テレワークやZoom会議などで仕事をこなし、休憩中にはスマホを利用したりしていると「ワーキングメモリ」と呼ばれる脳において一時的な情報の保管と処理を行う場所ばかりが酷使されることになる。すると情報処理能力が低下したり、記憶に支障が出たりする認知症に似た症状が表れてくる。

これらDMNの主要部位の活動の抑制やワーキングメモリの疲労回復はマインドフルネスによって可能であるとされている。生活の中で常に情報過多にならないようにする意識を持ちながら、マインドフルネスを取り入れて脳疲労を軽減して真の休息を得ることで快適な生活に繋げてみてはいかがだろうか。

※1 現代人の脳は疲れている https://bizdrive.ntt-east.co.jp/articles/dr00002-061.html