「清いものは常に穢(けが)れたものの中から生まれいで、光り輝くものは常に暗闇の中から生まれでる。」

樋口一葉(1872~1896年)は、小説家である。「たけくらべ」「にごりえ」など日本の近代文学史に残る作品を残した。
一葉は、東京の内幸町で裕福な家庭に生まれる。父は東京都の官吏のかたわら、不動産・金融業などのサイドビジネスを手掛けていた。
小学校を首席で卒業したが、母親の「女性に学問は不要」という考えにより進学を反対される。泣く泣く進学を諦めた一葉は後に日記に「悲しく辛い出来事」と記している。
向学心旺盛であった一葉は、14歳の時に、父親の勧めで和歌の塾「萩の舎」に入門し、和歌や古典文学を学び、講義をするまでの実力を付けていった。
しかし、兄の病死と父の事業の失敗と病死が続き、一葉は17歳で母、妹との一家の生計を担わなければならなくなる。小説家として収入を得ようと試みたが、その収入だけでは生活が出来なかった。副業として吉原の近くで雑貨屋を営んだが10か月で閉店に追い込まれる。その後は精力的に執筆活動に取り組んだ。
22歳の時に「大つもごり」を発表してから約1年の間に立て続けに代表作となる「たけくらべ」「十三夜」などの小説を発表し、後に「奇跡の14か月」と呼ばれる。
「たけくらべ」は森鴎外に絶賛され、一躍女流作家として脚光を浴びるようになり執筆依頼が殺到する。しかし、長年の苦労が報われようとした矢先に、肺結核に倒れてしまい、24歳6ヶ月の短い生涯を終えることになる。
清いものは常に穢(けが)れたものの中から生まれいで、光り輝くものは常に暗闇の中から生まれでる。
―逆境の中や惨めな環境の中にいても輝かしい未来があるのだと信じることが出来れば、希望を持って前に歩みを進めていくことができる―
この格言はまさに一葉の生き様から生まれた魂の言葉として受け取れる。女性という理由で勉学の道を断たれ、さらに生活苦に苦しんだ一葉。しかし、希望の道が断たれても、不屈の精神で本来の実力を発揮してこの世に名作を残した。
彼女の生き様とその作品は、いつの時代にも人々に感銘を与える作品として読み継がれていくことだろう。
・ウィキペディア
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