照明制御システム⑥―DALI2

1990年代にヨーロッパではオフィス用の照明制御システムとしてDALI(Digital Addressable Lighting Interface)が登場する。DALIはオープンプロトコルであるが、機器間のマッチング・適合の問題があった。その問題を解消して開発されたものがDALI2であり、2017年から運用を開始する。DALI2について述べる。

DALI2はオープンプロトコルの汎用性とフレキシブルな個別制御ができる照明制御通信方式である。双方向通信により照明の点灯状態、動作確認、消費電力の計測等を行い、より細やかな制御やエネルギー管理が可能で、確実性、安全性が高いシステムである。

スイッチ及びセンサー等の周辺機器も規格に組み込まれ、DALI2ネットワーク上に他社製のスイッチ、センサーを接続することが可能となっている。色温度変換及びフルカラー調整などの調色に関しても規格化されている。

DALI2は規格対応メーカーもしくは準拠している機器であれば基本的に動作が可能である。照明器具1灯ごとの個別制御が可能で明るさや点灯エリアを設定変更でき、多様な調光制御が可能である。

マスターコントローラー1台に最大64台まで接続可能で、マスターコントローラーを増せばより大規模なシステムも構築可能となっている。シーンやグループ制御を自由に設定でき照明器具の追加や削減、配置変更の対応も容易である。

DALI2で複数の製造元の周辺機器を組み合わせてシステムを構築・機能させる場合は、設計の段階からそのシステム設計及び保証を実施するシステムインテグレーター(Sler)の関与が望ましい。

クローズドシステムであった照明制御をオープンプロトコルによる照明制御システムとして確立させたDALI2は、多様な目的に対応可能な制御システムとして今後さらにその活用が拡大されていくことが予想されている。

参考文献
https://lutron.jp/products/dali_2.html