「さあ、進むのだ。君が出逢う困難は、前進すればおのずと解決するだろう。進め。そうすれば夜は開け、君の行く手に光はますます明るく輝くだろう。」


ジャン・ル・ロン・ダランベール(1717~1783年)は、フランスの哲学者、数学者、物理学者。

貴族の私生児でノートルダム寺院の傍らの小さい教会の階段に生まれて間もなく捨てられ、貧しいガラス職人に預けられて育てられた。実際の父である貴族が養育費をひそかに支払っており、遺産も残していたと伝えられている。

マザラン大学で法学を学び弁護士となったが、数学・物理学への強い興味を捨てきれずに21歳の時に数学の研究を志して進むことを決意する。

22歳の時に発表した「積分法に関する論文」は学界にその名をとどろかせた。その後、研究を進めて、多くの論文を発表し、彼の確定した「ダランベールの原理」は、解析力学の基礎となった。

1751年、ディドロと共に「百科全書」の編集に携わった。この全書は、刊行が終了するまで22年の歳月を要したもので、「知の編纂」を試みた文献として、学術史、印刷史、書誌学史上きわめて重要な地位を占めている。

晩年、健康状態が悪化した為執筆活動は衰え、1783年66歳でパリにて永眠する。

さあ、進むのだ。君が出逢う困難は、前進すればおのずと解決するだろう。進め。そうすれば夜は開け、君の行く手に光はますます明るく輝くだろう。

―困難に出会っても前に進もう。そうすれば困難な状況も解決に向かい、君の未来には希望と幸運が光輝やいて見えてくることだろう―

彼が数学の研究、知の編纂に力を尽くした過程において、多くの困難に出会ったことだろう。彼が困難に立ち向かい、前進していく場面でこの格言の言葉を自身にも投げかけたのではないだろうか。

アカデミー・フランセーズの終身幹事という最高の栄誉職についたダランベール。その生涯は、人々の心に残る知性への信頼に貫かれた生涯であった。




・ウィキペディア
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