天王星


約1か月後の2022年11月8日には、皆既月食と天王星食が同時に起こることが予想される。(参照:国立展望台)天王星は地球から約30億km離れたところに位置し、双眼鏡でなら見つけられるサイズだ。地上から肉眼でその存在を確認することが難しい天王星について紹介する。

構成
天王星は、ほとんどが水と氷で構成されている惑星。大気には水素(約83%)、ヘリウム(約15%)、メタン(約2%)が含まれている。
横倒しの自転
天王星以外の太陽系に存在する惑星7つ(水星・金星・地球・火星・木星・土星・海王星)が、太陽系の王道面に対し約20°傾いて自転しているのに対し、
不思議なことに天王星の自転軸は、太陽系の王道面に対し約98°傾いていて、つまりほぼ横倒しの状態で自転している。これは、別の天体が衝突したとされる「巨大衝突説」ではないかと言われているが、自転の向きを変えられるほどの大規模な衝突が起こりながらも太陽の周りを公転し続けていると考えると、宇宙の謎は深まるばかりだ。
ボイジャー2号
天王星の姿をとらえた写真は無人宇宙探査機ボイジャー2号によるものだ。1977年にNASAによって打ち上げられたボイジャー2号は、天王星やそれより遠い海王星の接近を成功した唯一の探査機。2020年には太陽系、太陽圏を越えた領域(太陽から224億km地点)を飛行し、現在も飛行し続けている。

今回の皆既月食、天王星食は高度も十分あり、見やすい夕方におこるためとても好条件のものだ。双眼鏡をのぞき込み、広大な空に天王星を捜してみてはいかがだろうか。