照明制御システム②―歴史2


1978年にオイルショックが起きて省エネが叫ばれるようになり、照明制御の開発がより進むようになった。

1986年には多重伝送方式、DMX512方式、が生まれ、センサーも熱線センサー、光センサーなどが開発される。

1990年には新たな照明制御システムとして、国際標準規格の通信規格であるDALIが登場する。DALIを改良して開発されたDALI2は2017年から運用開始された。DALIはオープンプロトコルで高い汎用性を持ち、照明をより細かく自由に制御できるシステムとして広く世界に普及している。

一方、高度情報化建築物であるスマートビルが1980年代から日本においても普及するようになる。そして、エネルギーを総合的に管理できるシステムとして、ビル・エネルギー管理システムBEMS(Building and Energy Management System)が登場した。

これは各種センサーや監視装置、制御装置などにより建物のエネルギー使用状況を見える化し、エネルギーマネージメントを行うシステムであり、照明設備も他の設備と直接関係を保ちながら最適に制御することが可能となった。

環境省によるとBEMSの普及率は、2020年は19.4%であり、今後さらなる普及を目指しており、2030年には47%とする計画だという。低炭素社会づくりの要素として重要なBEMSでの照明制御の重要性もさらに増していくことと思われる。

オンオフ制御から始まった照明制御システムは、現在では多様なシステムや組み合わせが可能となっており、通信方式も進化し続けている。次回より理想的な光環境を得るために必要な照明制御システムについて紹介しつつ今後の課題や展望について考えてみることにする。

参考文献
*1 https://www.env.go.jp/content/000040099.pdf