「いかなる星にも光あり、いかなる花にも香りあり」


この格言は中国の女流作家・謝冰心(しゃ ひょうしん)のものであり、彼女の人生観を表したものとして知られている。

謝冰心( 1900年~1999 年)は 1919年文明改革の初期から小説、詩、散文、児童文学などの作家活動を始めた。平易な口調で書かれた美しい文章に定評がある。
日本にも住んだことがあり、作品は戦前から翻訳されている。
 

 いかなる星にも光あり、いかなる花にも香りあり

 
どんな星にも強い光、弱い光、青い光、赤い光、・・・様々な光がある
どんな花にも甘い香り、かぐわしい香り、…様々な香りがある

―――どんな生命にもそれぞれ固有の資質があり、無限の価値がある――
その価値を知り、見つめ、さらにその価値を高いものとするべく努力を惜しまず進んでいくこと、自分の可能性を信じて自分を豊かに、実り多きものとしようとすること
それはひいては自分の持っている価値を輝かせ、能力を発揮し、使命を果たしていくことに繋がる。

謝冰心は晩年に脳溢血で倒れ、右半身が麻痺してしまったが、「人生は 80歳から始まる」と震える手で執筆活動を続けた。その前向きな姿勢は 90歳を超えても変わらなかったと言われている。

いかなる人も光輝くものを持っている。それをたゆまぬ努力によりさらに磨き、輝かせて、かけがえのない使命を果たすことができれば、きっと充実した人生を過ごすことができる――そう、冰心は私達に問いかけているように思える。