【アワーシリーズ】影のなくなる日

影がなくなる日-まるで小説のようなタイトルだが、実際に影がなくなる日を考えたことはあるだろうか。

厳密には、太陽が頭の真上に来ることで物が作り出す影がなくなったかのように見える時間帯のことを「ラハイナ・ヌーン(Lahaina Noon)」という。
ハワイなど北回帰線と南回帰線の間にある地域で見られる現象である。
インドでは「ゼロ・シャドー・デー(Zero shadow day)」と呼ばれる。
日本では例え正午であろうと地球の地軸の傾きにより影が出来てしまうため同様の現象は見られない。

おおよそ春に一回、夏に一回この現象が起き、毎年太陽の赤緯(天体の位置を表す値)がその場所の緯度と等しくなると発生する。

この時間帯では、本来あるはずの影がなくなることでまるでCGのような、物が実体を伴っていないようなニュアンスの非現実的な写真が撮れる。晴れ渡っているのに、物から伸びる影のみが存在しないのだ。
いかに普段自分の目が影を当たり前に認識しているかがわかることだろう。

日本では見ることのできないこの現象、ご興味のある方は是非現地へ赴いてその不可思議な視覚体験を楽しんで欲しい。