「夢を見るから、人生は輝く。」

ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791年)はオーストリアの作曲家。ハイドン、ベートーヴェンと並び古典派三大作曲家の一人である。管弦楽曲、オペラ、ピアノ曲といった多岐にわたる分野において大きな功績を残した。短い生涯に作曲した曲は626曲以上にもなる。

モーツァルトは1756年に現在のオーストリア、ザルツブルクで生まれた。父はザルツブルクの宮廷作曲家・ヴァイオリニストであった。父は息子の音楽的才能を早くから見出し、幼少期から音楽教育を与えた。モーツァルトは3歳でチェンバロを弾き始め、5歳から作曲を開始した。6歳頃から父と共にザルツブルク宮廷音楽家を務めるかたわら、ウィーン、パリ、ロンドンといった大都市への度重なる演奏巡業を開始する。巡業中も作曲技術を学び、技巧の習得にも励んだと言われている。

モーツァルトは14歳でローマ教皇から黄金拍車勲章を授与されるが、収入は少なかった。
23歳の時に雇用主であったザルツブルク大司教と衝突して辞職し、ウィーンに移住し、フリーランスの音楽家となる。そして26歳の時には結婚をしている。

彼が20代後半の時期は成熟期とも言われ、様々な名曲を残している。特に30歳の時作曲したオペラ「フィガロの結婚」は大評判となり一躍モーツァルトの名を有名にした。しかし収入は相変わらず少なく、苦しい日々が続いたという。
そして貧困の影響から徐々に体調を崩し、1791年、35歳という若さでこの世を去った。

夢を見るから、人生は輝く。

―未来に目を向けて 実現したいことを心の中に持つからこそ、人は生きていく日々が尊いものとなり、価値あるものとなる。―
この格言にある「夢」は彼にとっては作曲することだったのではないだろうか。
天才と言われるモーツァルトであるが、彼は人一倍の努力家であった。また、動物好きで飼っていた鳥が亡くなった時は鳥に詩を送ったという心優しい面も持っていた。

貧困にもかかわらず作曲にエネルギーを注ぎ続けた彼の人生は、短くも人一倍光輝いた人生であったと言えるだろう。

どころでモーツァルトの音楽が音楽療法に利用され、健康に良い影響を与えることをご存知だろうか。彼の多くの曲がおよそ3500ヘルツ以上の高周波音でゆらぎが豊富に含まれているため、人間の生態機能にプラスに働き、血行を改善して外敵から身を守る免疫力を高めてくれる効果を生むというのである。また、脳を刺激することで体の緊張をほぐし、精神的な安定も図れるという。

新型コロナの感染予防に配慮をしながらの日々であるが、気持ちが落ち着く色温度の低い照明の光のもとで、モーツァルトの人生に想いを馳せながら彼の音楽をゆったりと鑑賞してみるのも良いのではないだろうか。