【アワーシリーズ】ペールレインボーアワー

月や太陽に雲のもやがかかり、うすほの明るく虹のような色が周りに見える現象。
それを、光冠、光環(こうかん)と呼ぶ。
月にかかるものは月光冠と言われている。

これは光の回折現象によるもので、光源の周りの障害物が光を曲げることで、様々な色の輪が出来る現象である。エアリーディスクと呼ばれる光学現象の一つで、光の持つ波の性質によるものである。霧の出た日や雲の薄くかかった日に見えることが多い。

太陽の周りに円状に虹のような色彩が発生する現象としてもう一つ、「暈(かさ)」、別名「ハロ」という現象があるが、これは光冠とはまったく異なる原理で生じるものである。
光の屈折の性質によるもので、空気中の氷晶がプリズムのような働きをして太陽の周りに輪を形成するものである。
光冠と比べると、内径がかなり大きいのが特徴だ。

これは一概に雲や霧だけではなく、花粉や黄砂など、細かい粒子のものが空気中に舞っている状況であれば観測可能である。又光源も、太陽だけでなく月や街灯でも確認が出来る。

雲に遮られているときに見えやすいこの現象であるが、花粉が多い日も太陽のまわりにこの現象が見られるそうだ。花粉光環(pollen corona)という現象である。花粉が多くなりはじめ出歩くのが少し憂鬱なこれからの季節、雲のない晴れた日に光冠を見つけた際には花粉が多いのだと実感できるかもしれない。