光輝く石 ペリドット

8月の誕生石として知られるペリドット。3500年以上の歴史を持つ宝石だが、ペリドットとして公式に認知されたのは1904年 であり、20世紀に入ってからである。
中世頃まではエメラルドやトパーズと混同されており、一説によるとクレオパトラが所有していたエメラルドコレクションが実際にはペリドットであったとも言われている。

ペリドットは鉄とマグネシウムを含んだ火成岩の一種「かんらん石」の内の一つであり、特に透明度が高く、美しい緑色をしているものが「ペリドット」と言われる。
ペリドットは「石自体が光る」ことで知られている。鉄イオンの配列により、「複屈折」を起こし一筋の光線を2倍に増やしているために光輝いて見えるのだという。この特性により、ペリドットは別名「イブニングエメラルド」「夜のダイヤモンド」とも言われた。

現代では照明の普及により空間全体が均一に照らされている。しかし、ペリドットが発見された昔はかすかな灯りの中で晩餐会などが開かれていた。
そのような空間の中で光輝くイブニングエメラルドを見た人々はどのように感じたのか。当時の人々が見た光に思いを馳せてみるのも興味が掻き立てられるのではないだろうか。

 
参考資料:
https://www.gia.edu/JP/peridot-history-lore
https://store.museumofjewelry.com/blogs/news/peridot-the-gem-of-the-sun
https://www.suwagem.com/jp/dictionary/quality/book1-14/1.html
https://karatz.jp/peridot-august-birthstone/ https://www.gstv.jp/gem-koza_expert/vol27.html