新しい照明分野7―ライト・アート


ライト・アートとは、人工的な光や電気を使用した芸術作品の総称である。ネオン管や蛍光灯などによる作品を空間や環境に設置する。

ライト・アートの先駆けとなったのは、20世紀初頭のバウハウスでの光による空間表現であり、反射や透過という光の性質を機械的にコントロールして光の演出を行うものだった。

1950年代からネオン管を使用した環境芸術が制作されてからライト・アートは急速に発展していった。1960年代に入ると世界的にも注目を集めてライト・アートの国際展が開催されるようになった。

特にガス放電ランプであるネオン管を使用して作られた芸術作品であるネオンアートは、室内や屋外のスペースに展示され、鮮やかな発光色や、印象的な形状、などが見る人に印象的な視覚体験を与える。

近年、LEDの登場により、ネオンガスの電飾は使われないようになってきているが、ネオンアートは、その独特の質感や輝き、繊細な文字やラインなども表現できることから現代アートのひとつとして評価されている。

また、ネオンファニチャーは、ネオンガスを使った照明器具を家具と融合してインテリアに使用するものを言う。暗い部屋での照明としても活用され、独特の質感や輝きは部屋の雰囲気を一変させてよりアーティスティックな空間を演出することができる。

カメラの長時間露光を使って光を描き、それを写真に撮影した作品は、ライトペインティングと呼ばれる。制作者は光を自由に操って、独自の作品を作り出すことができ、暗闇の中で独特の美しさを放つ作品を創り出す。

使用する光源は、携帯電話のフラッシュライト、キャンドル、LEDライト、スパークラー、ストロボライト、ネオン管、グロースティックライトなどである。様々な光源を使用して、輝き、線、形状、文字、そして抽象的なイメージを作り出す。最近では、SNSなどでその美しさが広く知られるようになっている。

ライト・アートには光の性質を利用した様々な作品があり、光の芸術作品として再評価されている。