新しい照明分野12―メディアアート④ プロジェクションマッピング1

プロジェクションマッピングとは、立体物に映像を投影する技術及びパフォーマンスのことである。映画のように平面のスクリーンに投影するのとは異なり、凹凸のある立体物の形状に合わせて映像を貼り付けて投影するという点が大きな特徴である。

建築物のみならず、広場、家具、霧、海、樹木などほぼ全てのものが投影対象となる。映像が対象物に密着しているような幻想的で迫力のある演出が可能で、近年様々な分野で活用されている。

映像制作、貼り付け作業(マッピング)、そして投影(プロジェクション)という工程を経て作品が完成する。さらに音楽を加えて現実では起こり得ないような動きのある映像を投影することで、観客に驚きと感動を与えることができる。

プロジェクションマッピングは、1960年代からアメリカのテーマパークなどで実用化されていた。当時はスライド映写装置によるもので、光源の不足から現在のような表現は出来なかった。高輝度光源の出現により、2000年代ごろから高品質な映像の投影が可能となり、様々な場面で広く利用されるようになってきている。

日本では、2012年に5年半の復元工事を経て開業した東京駅の丸の内駅舎で行われたプロジェクションマッピングに多くの人が集まり、大きな反響を呼んだことは記憶に新しい。

また、最近では話題になっているアニメや映画、ゲームなどとコラボすることも多く、話題性を持つことで認知度がさらに高まるという現象も起きている。

世界各地で開催されている「ライトインスタレーションフェスティバル」に2010年以降プロジェクションマッピングの作品が加わることが増えており、また「マッピングフェスティバル」として独自のイベントも開催されるようになっている。

これまでの映画やテレビ、花火などとは異なる新しい映像の世界を生み出すプロジェクションマッピングは、魅力的な新しい光の芸術としてこれからもさらに発展していくことが期待される。

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0

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