新しい照明分野14―メディアアート⑥ イルミネーション

冬になりクリスマスが近づく頃になると街々には美しいイルミネーションが煌めき始める。イルミネーションの始まりは、16世紀にマルティン・ルターが森を歩いている際に、煌めく美しい星を見て感動し、木々の枝に多くのろうそくを飾ることでその景色を再現したことであると言われている。日本では1950年代からイルミネーションが行われ始め、その後商業施設や商店街のイベントとして発展し、現在では日本各地で多様な表現でのイルミネーションが見る人の目を楽しませている。

イルミネーションは実施することで様々な効果を得ることができる。
その美しさや華やかさから人々が集まり、その集客効果により地域活性化が図られ、経済効果を生み出し、広告塔としての機能が期待できる。また、その輝く光は、街の防犯効果として人々に安心感を与えたり、人の心に癒しや感動を与えることがわかっている。さらに同調効果として、一緒に見た人との関係性が深まるとも言われている。

最近では、冬に限らずに夏や一年中イルミネーションを行っている場所も多くなっているが、主に冬に多く開催されているいくつかの理由がある。
まず挙げられるのが、クリスマスイベントと関連して華やかなイメージづくりに利用されるためである。誰もがその煌めく光にわくわくとした期待感を感じるのではないだろうか。

また、冬は夏に比べて日没時刻が早いため、イルミネーションを楽しめる夜の時間が長いこと、さらに空気が乾燥していて空気中の不純物の減少などにより澄んだ空気となり、光が美しく見える季節であることも理由である。

美しい光で人々を魅了するイルミネーションではあるが、光害に関しての注意は怠らないことが重要である。周囲の住民や動植物への影響等、周辺環境との調和に配慮されていないものは光害とみなされるため、環境省が公表する「光害対策ガイドライン」を参考にして適切な状況でのイルミネーションの計画実施を行うことが求められる。

イルミネーションを見ることにより、希望やより頑張ろうという気持ちが湧くことも報告されており、夜空の下で美しいイルミネーションの光を鑑賞することでリフレシュして明日への活力へ繋げてみるのはいかがだろうか。

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3