光と陰の世界で生まれ変わるもの4─シャンパン「シャンパングラス」

シャンパングラスには大きく分けて2種類ある。
一つは「クープ型のグラス」で、口が広く浅い形で、シャンパンタワーの演出にも利用される。飲む時に顎を上げずに飲めるため、女性が飲む姿をエレガントに見せることができる。かのマリーアントワネットがクープ型グラスを好んだのもお酒を飲む姿が美しく見えるためと言われている。しかし、口が広いことによって香りや泡が逃げやすいという短所がある。

もう一種類は「フルート型のグラス」にで、口が狭くて細長く、立ち上る泡が美しく見えて、香りや泡が逃げにくい特長がある。口の中に入る液体の流れが速く、シャープな味わいを楽しめるが、飲む時に顎を上げてあおるような飲み方になってしまう短所がある。シャンパンの泡を見て楽しみ、香りや味をじっくりと味わうのにふさわしいグラスでシャンパンを飲む時に多く利用されている。

シャンパンの泡はその細かさや量により味わいを左右する大きな要素とされ、高級なシャンパングラスには細かな泡が美しくそして長く立ち上るように底に傷をつけたものがある。傷1か所につき10個/秒発泡すると言われ、通常は30個の傷がつけてあり、300個/秒の細かな泡が生まれる計算になり、立ち上る泡が美しく見える。

乾杯の時に使われることが多いシャンパングラスだがガラスの種類により、光を受けた輝き、透明感は異なる。ガラスとして最上級の透明な輝きを持つものは、酸化鉛を主成分としたクリスタルガラスである。鉛が24%以上のものをレッドクリスタルガラスと言い、透明度が高く、重い。鉛が30%以上になるとフルレッドクリスタルガラスと呼ばれ、非常に高い透明度と光の屈折率、美しい打音が特徴となる。

世界にシャンパングラスメーカーは多くあるが、それぞれ特徴を持っている。
バカラの手作りのクリスタルガラスのシャンパングラスは、注いだシャンパンの泡が光を受けて美しく輝き芳醇なひとときを生み出してくれる。
リーデルのシャンパングラスは環境にやさしい無鉛クリスタルガラスを使用しており底に発泡ポイントがレーザーで刻印され、細かな泡が立ち上るのを楽しむことができる。
他にも酸化カリウムを主成分としたカリクリスタルガラスのシャンパングラスがあり、安価・軽量・丈夫なガラスでやわらかく美しい輝きを持ったグラスである。

シャンパンゴールドと呼ばれる薄いベージュ色に輝く上品で華やかな雰囲気を漂わせるシャンパン。豊かな香りと味を味わえるグラスをお好みで選んでと沸き立つ美しい泡を眺めながらゆっくりとシャンパンを楽しむひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。