「笑顔は、疲れた者にとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむ者にとっては太陽、悩める者にとっては自然の解毒剤となる。」

デール・カーネギー(1888~1955年)は小説家、評論家。主にビジネスにおけるコミュニケーションについて講演や研修を行ったり、自己啓発本を著した。1936年に発行した著書「人を動かす」は世界的に1500万部の大ベストセラーとなっており、時代を超えて読み継がれ、現在も多くの人に読まれている。

デール・カーネギーは、1888年アメリカのミズーリー州の貧しい自営農家の父親と信心深い母親との間に生まれ愛情深く育てられた。州立学芸大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスマンなど多種な職業を経て、YMCAの夜間講座の講師となる。大学時代に「雄弁術」を習得していたためにカーネギーの「話し方講座」は評判が良かった。

第一次世界大戦により2年間の兵役を終えた後7年間をヨーロッパで過ごす。37歳の時に「ビジネス・スピーキング・トレーナー」として活動を始める。1929年の世界大恐慌によって彼の講座を求めて人が集まるようになり、またラジオ番組のパーソナリティーになったことでカーネギーの知名度が向上した。

1936年に発刊した「人を動かす」は、大ベストセラーとなり、現在でも毎年60万部売れる不朽の名作となっている。本の内容は人づき合いにおいて必要なこと、心がけておくべきこと、決してしてはいけないことなどが分かりやすく記載されており、マネジメントの本質についてまとめた説得力のある自己啓発本となっている。

ビジネス講師として成功を収めたカーネギーは「自己啓発の父」と呼ばれるようになった。彼が発見した原則は時代が変わってもビジネスや人間関係に悩む人にとって有効な原則として影響を与えている。

カーネギーは他にも「道は開ける」「カーネギー人生論」などの本を著し66歳でこの世を去った。

笑顔は、疲れた者にとっては休養、失意の人にとっては光明、悲しむ者にとっては太陽、悩める者にとっては自然の解毒剤となる

―疲れた人にとって笑顔は気持ちを癒し、失意の人にとって笑顔からは希望の光が見え、悲しむ人にとって笑顔は暗い気持ちを明るくしてくれる太陽のようなものであり、悩む人にとって笑顔は悩みを消してくれる力を持つものである―

誰しも笑顔によって救われた経験や豊かな気持ちになった経験があるのではないだろうか。この格言では笑顔の持つ偉大な力について言及している。若い頃なかなか安定した職に就けなかったカーネギーは重い悩みを抱え、失意の時期を経験しながらきっと笑顔の持つ力を認識する時が何度もあったことだろう。著書「人に好かれる6原則」では笑顔を忘れないことを挙げどんな時でも笑顔を見せるだけで幸福な気持ちになれるとしている。

この格言は彼の実体験から生まれたであろう格言であり、人付き合いにおいての笑顔の素晴らしさを伝える言葉として多くの人々の心に響くものとなっている。




・ウィキペディア
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