光と色彩 – シュヴルール

ゲーテと同時代に色彩の研究者として知られているのがフランスの化学者ミシェル・ウジェーヌ・シュヴルールです。脂肪酸の研究で知られ、マルガリン酸の発見、石鹸の製法の開発、老人学の先駆者としても有名です。
シュヴルールは王室ゴブラン織工場の監督官に任命されたことをきっかけに色彩の研究を始めました。染色の仕上がりが悪いという苦情を受けたシュヴルールは、塗料や技術ではなく色の組み合わせに原因があったことを突き止め、「隣接した色は互いに影響し変化して見える」という「同時対比の法則」を発見しました。

シュヴルールは「色彩の同時対比の法則とこの法則に基づく配色について」という著書を記し、これに感銘を受けたジョルジュ・スーラ達によりシュヴルールの理論は新印象派の光の表現技術に応用されていきます。